15番目。
前の章の長さ的に一番言いたいのは前章(14番目)だろう。
いや、過去作をそのままリメイクしただけなのもあるけど、勢いで書いてるから目的とか考えてない。
読み返すだけでも、目を覆いたくなる衝動は何だろうか?
15、廃遊園地のその片隅で。(夜)
モクタン、ケルトを殴ったあと後悔の念が押し寄せていた。
何も殴る事はなかった、これでは私の方が野蛮ではないか?
理屈では分かっていた。でも、感情を制御することが出来なかった 。
許せずにいる自分自身の後悔から苛立ちが生まれていた。
ウサギ モクタンさん
ウサギ、モクタンの後ろから声をかける。
モクタン、振り向かない。
今は酷い顔をしている。とてもウサギとは向き合えない。
モクタン、背を向けたまま話をする。
モクタン Ooh、ボクの太陽。すまないけど、今のボクは暗黒の底に落ちて いてとても君に顔を合わせられないんだ
ウサギ ……ゴメンなさい。私が勝手に出て行っちゃたから心配をさせて。本当にゴメンなさい
モクタン ……それは、もう良いんです。言付けもありましたし、ケルトにも 事情があったみたいですし。ええ、良いんです。本当に……
ウサギ ……今日はよく晴れたね。雲一つ見当たらない
モクタン ……
ウサギ カンランシャ、動かせないって。ケルトくん、頑張っていたけど
モクタン ……
ウサギ 残念だな。折角、今日は月が出ているのに
モクタン ……心配をしました
ウサギ え?
モクタン 急に居なくなって、幾日もウサギに会えなくて、悲しくて苦しくて… …私にはあなたが居なかった数日は地獄でした……だから、もう、 勝手に居なくならないで下さい……さもないとボクは寂しくて死ん でしまいます
モクタン、笑顔で振り返る。
ウサギ、一度目をつぶると笑顔で返す。
ウサギ あ
ウサギ、カンランシャに目を移す。
カンランシャがゆっくりと回り始めたのだ。
ウサギ、満面の笑みでその様子を見る。
ウサギ 動いた。凄いね。モクタンさん、動いたよ!
モクタン ……はい。動きましたね……ウサギ
ウサギ ……何?
モクタン ……愛しています。心から
モクタン、二の次を継ごうとしたが、言葉が頭の中でグルグルと回 り結局何も言えなくなった。
ウサギ、暫くの沈黙のあと、口を開く。
ウサギ、暫くの沈黙のあと、口を開く。
ウサギ ……それだけ?モクタンさんにしては在り来たりね。フフッ……で も今までで一番素敵よ……ほら、早く乗ろう
ウサギ、観覧車に向かっていく。
モクタン、この時にいつものように言えなかった事に情けなくなる 。
ただ、ウサギの笑顔を見る事が出来てモクタンは幾分か救われる思 いがした。
モクタン、ウサギの後を追いかけていく。