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1637(『忘却』、詩の解体)

自分の詩作を解体する。

意味は特に考えてない。

しかし、何か読み解けることがあるかもしれない。

 

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『忘却』

 

毎週、先人が書き記した文字群は西からの風にさらわれる。

傍らで片膝をつき、溝の薄くなった岩石の一欠片を拾う。

日に焼けた旅人はレターバッグを肩に担ぎ、手に馴染んだ杖と共に海岸に向かった。

 

西からの風を背に受けながら、すべての者たちの駅へ出発した。

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『忘却』、「却」は却って、普通に期待するのとは反対に、むしろ逆との意味とあるので期待とは反対に忘れてしまうことがタイトルになっている。

 

「毎週、先人が書き記した文字群は西からの風にさらわれる。」

 

「毎週」、「毎日」というほどずっとではなく、「毎月」というほど突発ではないのだろう。

「先人が」、昔の人、言い方に敬意があるのではないか?

「書き記した」、過去に何かがあったのかもしれない。

「文字群は」、「文章」というには物語が読み取れず、「模様」というには意味があるのだろう。

「西からの風に」、偏西風だろうか?

「さらわれる」、風が文字群をさらう、現在進行形の風化の比喩表現かもしれない。

 

「傍らで片膝をつき、溝の薄くなった岩石の一欠片を拾う。」

 

「傍らで」、ここの「傍ら」は「先人の書き記した文字群」の近くだろう。

「片膝をつき」、文字群は腰よりも下か、文字群周辺の地面に身体を低くしている。

「溝の薄くなった」、「西からの風にさらわれ」た「文字群」の現在の形と推察する。

「岩石の」、「文字群」が「書き記し」ていたのは岩石なのだろう。

「一欠片を」、「岩石」の一部を指している。

「拾う」、文字群が書き記した岩石の欠片を手に入れる。

 

「日に焼けた旅人はレターバッグを肩に担ぎ、手に馴染んだ杖と共に海岸に向かった。」

 

「日に焼けた」、「雪」や「サロン」ではなく、太陽光で皮膚を火傷させた。

「旅人は」、外を何時間も歩き通しているのかもしれない。

「レターバッグを」、郵便屋がするような革のバッグだろうか?

「肩に担ぎ」、肩紐を肩に引っ掛けているのか?

「手に馴染んだ杖と」、使い込んでいる、普段使いしている。

「共に」、杖の擬人化、それだけ利用時間が長いのかもしれない。

「海岸に」、文字群の書き記した岩石の場所から海のある方向へ、ということだろう。

「向かった」、移動する、「向かう」ではなく「向かった」なので、すでに行動を決定している。

 

「西からの風を背に受けながら、すべての者たちの駅へ出発した。」

 

一行空いてる、シーンが変わっているのか?

「西からの風を」、風を感じているのは旅人か?

「背に」、西からの風が背中に当たる、海岸のある方向は東なのだろう。

「受けながら」、偏西風の風を感じている。

「すべての者たちの駅へ」、誰のことを指しているのか? 書き記させた文字群と関係があるのか? すべての者たちの駅は海岸の方向にあるのだろうか?

「出発した」、前段で「向かった」と意思決定している点、一行空いてる点を考えると、海岸に到着してからすべての者たちの駅に行き先が変わっているのかもしれない。

 

タイトルから考えると先人の期待とはむしろ逆に忘れられたことから、旅人の、忘れられた人々のことに思いを寄せている、のかもしれない。

 

他の解釈があるのならどなたかお教えください。