ネガティブ方向にポジティブ!

このブログは詰まらないことを延々と書いているブログです。

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松本まで映画を鑑賞しに出かける。

しかし、観たい映画が18時以降しかない。

19時から仕事の私は、不貞腐れる。

 

仕方ないから、いつもの書店で漫画を漁って買う。

「凪のお暇」を駐車場に停めた車内で読み耽る。

空気を読み過ぎて過呼吸になった主人公の話に、一喜一憂する。

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と、ドアの向こうから声がかけられた。

長時間、駐車場に居過ぎたか?と恐る恐る窓を開ける。

そこに居たのは、2人の女性で、保険のアンケートの協力をお願いされた。

 

私は、適当にアンケートに答える中、ポジティブな声かけをしてくる。

その声かけにも、ぞんざいな態度で答える。

内心、どうして私に構うのだろうか、胸が痛む。

 

アンケートに答えた後、すかさず、「休日は何時ですか!?」と聞いてきた。

その時に顔を上げて、相手の顔を見てしまった。

とても荒れた肌をした女性が、頑張って和やかに笑っている、そんな顔を見てしまった。

 

日中、駐車場で漫画を読み耽っているような男に話しかけるのは怖かろう。

その男が、あまり気乗りしない返事をしているのに、笑顔でいるのは辛かろう。

春の日差しは厳しく、容赦ない紫外線を浴びながら、なるべくポジティブな言葉で話しかけ続け、どうにか話を漕ぎ着けたい様は痛々しい。

 

手渡された名刺に「社内認定アドバイザー」と書いてあった。

社内認定、とあるからには、何かしらの試験を突破した訳だ。

すわ、悟る、目の前の人は頑張る人だ。

 

どうにも、ぐいぐい来る人を上手に断れない。

話しかけられると、一度話を聞いてしまう。

話を聞くことは優しさでも何でもないのに、どうしても振り切れない。

 

肌のケアにもっと時間を割いたら良いのに、と考えてしまう。

こんなどうでも良い男に時間を費やすより、もっと真面目で素敵な男性を捕まえることに時間を割いた方が建設ではないだろうか?

否、ストレスを感じながらも、懸命に頑張る人の幸せを私が規定して良い訳がない。

 

重い口が開く、「次の休みは…」、相手はすかさず場所を決めてくる。

分かっている、契約をするつもりもないのに、こんなことは時間泥棒に他ならない。

しかし、どうにも振り切れない、断固した断る理由が私にないことも、振り切れない甘さに加担する。

 

次の休日、資料を用意して、話を聞くことになった。

多分、サインもするかもしれない。

こうしてカモられる人間は、何時までもカモられるのだ。

 

手元の「凪のお暇」を見る。

空気を読み過ぎて、不幸になる女性の話と、何となく自分とオーバーラップする。

いや、私の場合は、私がどうなろうと、それは私の自己責任だから何のダメージもない。

 

ただ、私のような些末な人間にも声をかけなければならない営業の人たちを憐憫する。

カモられるのが悲しいのではなく、カモるために必死になっている人たちが痛々しくて耐えられないのが悲しい。

もっと、お金も余裕も時間もある、そうした人をカモった方がお互いに幸せになるのにな、と感じる。

 

どちらかと言えば、「凪のお暇」の続きの方が気になる、凪さんヤンデレ化阻止して欲しい。

あと、帰りの道すがら、(今回のこと、ネタにできるな)と考えた私のクズ加減の方が痛々しくてきつい。

嗚呼、業深き私は、誰かを救うことは叶うのだろうか?

 

頭をぽりぽりと掻きながら、投稿する。