9月25日、今日は稽古は休みだ。
稽古、というより最近は画作りにきっかけにと本番に向けての準備が主だった内容で、稽古らしい稽古はしていない。
ゲネ初日が9月28日、明日明後日と過ごしたら、直ぐそこだ。
さて、こういう時に「今日は稽古は休みだ」となると、何かしらの展開がありそうなものだ。
と考えるのは、私の頭の中が漫画脳故にだろう。
本番前のアクシデントや予感があって、本番がより一層際立つようにする展開を夢想する。
少年漫画だと、1人黙々と稽古する。
しかし、不慮の事故で怪我をしてしまう。
1人欠けた状態でゲネに臨まなければならない!という試練がありそうだ。
少女漫画だと、1人で稽古をしているところに脇役が登場する。
ベンチに座って、稽古に向けての思いを吐露して、脇役(こいつ、こういう表情をするのか…)となる。
脇役とは別の想い人がその様子を見ていて、嫉妬するとかありそうだ。
ホラー漫画なら、翌日の朝、誰も来ない。
LINEで連絡すると、「身体が痒い」という発信があり…
1人、また1人とキノコ人間へと変わっていっている、その前触れがあるだろう。
青年漫画なら、エロ要素が入るのかもしれない。
大体、事後からシーンが入って、実は恋人ではない関係が仄めかされる感じで。
そうとは知らずに1人行きつけのスナックでほろ酔いになっている主人公…少女より苦みが増すな。
ファンタジーなら、一番最初の異世界に飛ぶシーンから。
いよいよ本番間近、と緊張半分、高揚感半分の主人公が謎の鏡を見付けて。
覗いてしまったのが運の尽き、ぶわぁ、と異世界へと行き、長い長い旅路の始まりとなる。
「今日は稽古は休みだ」というこの谷間に色々とイベントが起きて然るべきなのだ。
しかし、現在、全く何も起きていない。
つくづく私はこの世界の主役ではないことを思い知る。
本来は体調管理が目的なので、何もないことは良いことだ。
何もアクシデントがない、何も刺激もない、そういう日常は尊いものだ。
架空の展開は私の中で仕舞いにしておこう、その方が良い。
9月25日、今日は稽古は休みだ。
何もない日よ、万歳。