正月だというのに今日も仕事だ。
正月休みなどありはしない。
食品工場の定めか、商品を切らせない。
どうして大晦日も正月も休みがないのか?
食品関係には、賞味期限がある。
賞味期限が過ぎれば、廃棄しなければならないだろう。
工場を止めれば、商品もなくなる。
先に作られた商品は、売れようが売れまいが、いずれ賞味期限を迎える。
賞味期限を過ぎれば、廃棄されるので、長期のストックはできない。
ストックがなくなり、工場も止まってしまえば、商品は途切れる。
一度途切れれば、別の物に代替えしようとするのは人間の性だろう。
別の物に代替えされたら、もう買わない人も出てくるかもしれない。
そうなれば、売り上げが下がる。
短期間で考えても、長期間で考えても、利がない。
故に大晦日だろうと、正月だろうと工場は動いている、と私は考えている。
本当の理由は、聞いたことはない。
外れてはいない、と考えるが、真を突いているかは分からない。
もっと深謀遠慮の考えがあるのかもしれないが、そこまで考えは及ばない。
私に分かる確かなことは、今日も仕事ということだ。
きいきいと身体を軋ませながら、若しくは心を軋ませながら仕事へと向かう。
この仕事を辞めたら、正月休みを満喫しよう、とやりたいリストに載せておく。
明日を夢見る間もなく、2020年を進み出す。