3月18日、松本演劇連合会の総会があった。
劇団ぱすてるに所属している私は後ろの方でひっそり会議を見送った。
久方ぶりに会う人とぎくしゃくしながら会釈する。
初対面なら相手が私を知らないので適当に笑顔で会話できる。
二度三度会っていると、どういう風に振る舞うのが正解なのか分からなくなる。
会う回数が増えるとコミュニケーション能力が反比例して下がる傾向が私にはある。
それでもどうにか乗り越えて仲良くなれた人のそばに行って、「孤立してませんよ?」アピールをせねばならない。
唐突に黙って入って来た私を胡乱な目で見られる人も数人いるが、気にしていたらどうにもならない。
尖ったコミュ力しかないから、普遍的なコミュ力が欲しいな、と無い物ねだりを夢想する。
総会終わりに副主宰とカニバル!!!!の主宰さんとラーメンを食べに行った。
副主宰とはほどほどに仲が良いが、カニバルさんとことは顔を知っている程度だ。
へらへら笑いながらラーメンを美味しく食べた。
その時に、まつもと演劇祭の脚本の話になった。
カニバルさんは「松本市を題材に脚本を書いて」と言ってきた。
おほう?え、マジっすか、と困惑する。
まつもと演劇祭の脚本として3本を提案する予定でいた。
「松本市を題材」にした脚本ではないので実質新作を書くことになる。
どうしようか、一応、書いてから考えるか、と今はなっている。
こういう時、「こういう脚本をすでにやるつもりです」と言い切れないのが私の弱いところだ。
私のやりたいことをやろうとするには、都合がつかない場合もある。
そも、私が脚本を書くのかどうかさえ白紙なところもあるから、悩む時期でもない。
ざくざくと書く、ざくざくと書く。
もしかしたら先の3本の何れかも使えるかもしれないから提案はしよう。
とりあえず、どうにか書いてから、悩もうか。
普遍的なコミュ力はないが、変な方向に尖ったコミュ力を駆使して脚本を書く。
創作物には全部出る、が最近感じる。
何を読んだか、何を見たか、何を感じたか、その人の人生が、考えが滲み出る。
後ろ向きに全力で、ラーメン屋から出て2人と別れつつ、今の私はそう考えた。