「会話の引き出しを増やすにはどうすればいいのか?」
質問箱は無差別に質問しているのだろう。
よもや私に会話についての質問をしてくるとは、恐れ入る。
皮肉めいて言っても仕方ない。
質問者は存外に悩んでいるかもしれない。
私なりに答えらしいことを言っておこう。
とは言え、私自身の会話の引き出しはそんなに多くない。
大体が自分の今までの体験談であり、知見によるものはからっきしだ。
引き出しの数は、4つくらい、ではなかろうか?
会話の引き出しを増やす、元より「それ知っている」率を上げる方法論になるのだろうか?
それなら、普通に本でもSNSでも片っ端から情報らしい情報を拾っていけば良いように感じる。
しかし、ただ拾っていった情報は身に付かないもので、片っ端から記憶の彼方へ消えていく気もする。
結果的に相手にどれだけ興味を持って話しかけられるか、のような気がする。
つまり、相手が興味があることならば、自然と会話が弾むものだ。
そうなると、「会話の引き出しの多さ」とは「相手が興味を持っている事柄」と同義だろう。
相手の数が不特定多数ならば、相手の話を聞くのが先だろう。
自分の知らない事柄の方が多いのだから、まず相手から引き出して聞く姿勢は大事だ。
そうしていけば、自ずと会話のレパートリーも増えていくだろう。
相手の数が特定されているならば、その相手の興味のあることを広げていく方法が良い。
それに自分自身の情報も絡められると話は楽しくなるかもしれない。
私の場合は、演劇関係の人に稽古のあれこれが会話の契機になっている。
当たり障りない、天気や服装の話もきちんと引き出しとしてカウントすると良い。
そうした当たり障りのない話題もなければ引き出せないからだ。
そうなると日々をきちんとしていれば、話題もストックされていくはずだ。
まとめると、「相手の話を聞く」、「相手の興味のあることを広げる」、「日々を過ごす」の3つが会話の引き出しを増やすに役立つだろう。
書いていてもっと端的にできそうだな、と気付く。
まとめると、「興味を持つ」、これに尽きるのだろう。
そうなると、「どうしたら興味を持てるようになるか?」という別の疑問が浮かび上がる。
そして、「興味の持ち方」に関しては、私も知りたいところだ。
自分の内面のみで、外界への興味に頓着しないから、会話の引き出しが増えないのだろうと独り言つ。
面倒なので、ここに書いていることをそのまま質問箱に投げてしまおう。
興味が持っていれば、読んでくれるだろう。
他人任せにして、己の責任を逃れようとしている恥知らずは、私だ。
嗚呼、会話の引き出しをどうしたら増やせるだろうか。
夏の夕闇に一雨が降った。