3番目。
割りと細かく区切っているかもしれない…
3、寂しい電信柱の下。(午前中)
もうすっかり辺りが明るくなり川面も少し眩しくなる。
トゲ、モクタン、突っ伏す。
お互いに息をぜえぜえと切らしながら黙って横になっている。
モクタン、口を開く。
モクタン ……今日のところはこの辺で許してあげましょう
トゲ 何が今日のところは、だ。お前のうざさが今日で終わる訳ないだろ ?……まあ、いいや。今日はそれで
モクタン 君はどうしてそう憎ったらしいの?素直にそうですね、と言えば済むじゃない?
トゲ はいはい、そーですねー
モクタン、尚も何か言おうとして、自分は高尚な人格だからと聞き流すことにする。まだ動けない様子。
ウサギ 終わった?
トゲ、フーッと息を吐くと顔をくるっとウサギに向ける。
トゲ ああ、終わった終わった
ウサギ そう。それじゃあ行きましょ
ウサギ、そのまま道に向かって歩き始める。
トゲ、ややあって意を決する。
トゲ ウサギ!
ウサギ ?何、トゲさん?
トゲ ……あー、おはよう
ウサギ フフッ、おはようトゲさん
モクタン、いつの間にか復活して、ウサギ、トゲの間に割り込む。
モクタン さあ!いざ行かん、夢の架け橋へ!
トゲ、肩をすくめてウサギの前へ。
ウサギ、 遠くにある橋がどんな冒険があるのかを思い描きながらトゲの後ろへ。
モクタン、意気揚々とウサギの後ろへ。
一行は橋に続く道へと歩み出す。