突き抜ける青に伸びやかな雲が映える夏空の下、自動車を走らせるのは気持ち良い。
天蓋に様々な形に縦横無尽に拡がる夏空に、私の心を沸き立たせる。
嗚呼、夏よ、澄み渡る夏空よ、その純粋を忘れること勿れ、と感傷に浸る。
演劇は未だ3年程度の初心者である。
新型コロナウィルスで稽古らしい稽古も積むこともままならなかった。
嗚呼、それでも、今日この日、公演に関われる喜びを噛み締める。
テレビ放映されている高校球児の熱気は空に吸われていく。
ラジオ体操でばきばきな大人の身体から発せられる悲哀の声は空に吸われていく。
嗚呼、夏よ、澄み渡る夏よ、この純粋を熱に変えておくれ、とナルシシズムを発揮する。
しかし、暑い。
マスクにこもる熱気は体内を通る、暑い。
感傷とナルシシズムも屈服する太陽の存在感、暑い。
7月の終わり頃、空も何もかも夏である。
