2023年9月、長野市芸術館アクトスペースでカニバル!!!!!公演『紅葉狩』を観劇した。
私が見たのは2ステージ目のものだ。
簡易だが、その感想を記述する。
全体の感想は「すごいマスターベーション」だ。
主宰の我儘とチラシにも書いてあったが、盛大な自慰を見せられた。
観客のことを考えてないのではないだろうか?
戯曲は良かった、長野市近辺にある伝説『紅葉狩』を下敷きにSE用語を不断に使ってSF的な独自の世界観を作っていた。
舞台装置も注連縄と映像を組み合わせて格好良かった。
それ以外はすべて駄目だ。
LED照明で舞台全体をカラフルに彩っていたが、顔当ての照明がなかった。
なので、役者の顔が全く見えない。
LED照明の強い色もあって役者が色に呑まれていた。
音響が全体的に大きめで、台詞が聞こえ辛い。
特に冒頭のシーンはマイクを用いてあらすじ的な演技があるのだが、音割れと曲で何を言っているのか分からない。
演技では相手に向かっているので真横に向く場面もあった。
下手、上手に座ったお客さんは後頭部を見ることになる。
背中を見せる演出も多かった。
鬼女の紅葉と平維茂の対話シーンでは床に座ったため、顔を下に向けると見えなくなる。
全体の8割以上が顔と声が分からなず、役者の細やかな芝居が分からなかった。
今回集まった役者は長野県内でも実力派が揃っていて、きっと面白い演技をしてくれると期待していた。
しかし、過度な照明と音響、真横や後ろなどの位置取りなど、素材を殺し切る演出だった。
私の劇団からもりょーが出ていたが、帰り路はうっすら怒りを覚えたほどだ。
あの演出ならば役者である必要性がない。
身体表現に長けているダンサーでも良い。
音響の聞かせたいなら声録りした方がクリアになるし、、照明の当て方を見せたいなら人形でも十分だ。
顔を見せない演出なら役者でない方がより良い表現になりそうだ。
カニバルさんは今まで4つほど観させて頂いたが、今回は断トツで酷かった。
カニバルさんは一体何を目指しているのか?
少なくとも私は芝居への冒涜ではないだろうか、とさえ感じてしまった。
りょーはこれからも役者として出るのだろうか?
正直、役者としてカニバルさんに関わるのは止めてほしい。
個人の活動の範囲を限定するのは翻意ではないが、それくらい嫌なのだ。
一先ず、備忘録も兼ねて。