私がスカートを履くようになって1年以上は過ぎた。
化粧は覚えてないが、スカートを選ぶのは大分慣れた。
中学高校の頃よりも今の方が洒落ている。
靴のサイズはメンズだとセンチメートルで表記されているが、レディースだと「S・M・L」とアルファベット表記なのをブーツを買うときに知った。
ブーツは長時間履くと爪先、私の場合は小指が痛くなりがちだ。
そして、ブーツ一つで全体のまとまりが良くなり、ファッションの奥深さを感じている。
さて、私は好き好んでスカートを履くようになった。
ふと、スカートコーデをすることと女装はまた違うな、と考えた。
「女装」という代表例としてスカートは真っ先に挙げられるだろうが、今どきスカートを履くだけでは女装にはならない。
私の性自認は男性で、好きになるのは異性だ。
女性のように振る舞いたい訳ではなく、女性のように見られたい訳でもない。
偶々、スカートを履いてみたい衝動であり、今を楽しむ姿勢の一環だ。
それでも一般としてスカートは女性の服になるだろう。
メンズ売り場にスカートは無く、レディース売り場にスカートがある。
サイズも基本女性の体型に合わせて作られていて、種類も豊富にある。
ミニスカートは顕著だろう。
別に男性が丈の短いスカートを履いても問題ない。
しかし、すね毛は綺麗に剃った、スラッとした足でないとミニスカートは難しい印象がある。
私の固定観念ではミニスカートを履こう、とは到底考えられない。
丈の長いスカートを選択している。
ファッションの総合力として鑑みても、露出が増えるから肌が綺麗でないと着こなせない。
しかし、スカートの中にも格好良いのもある。
私の好みや着てみたい服は普通にある。
スカートは女性の服装の等式は勿体ない。
女装は「女性のように」というニュアンスだ。
しかし、私は「女性のように」成りたい訳ではない。
私は「今を楽しみたい」からスカートを選んでいる。
故に「女装」という言葉は合わない。
「女装」とはスカート等の総合した「女性らしさ」を追求した言葉だ。
逆にスカート等のファッションを総合したからといって「女装」にはならない。
何故なら、私は「女性らしさ」を追求していないからだ。
故に私は「女装」をしていない。
ならば、私は何の格好、カテゴリは何だろうか?
「何を目指しているの?」とよく聞かれる。
それに対して「好きな格好をしているだけ」と答えていた。
客観して見ると、スカートを履いているのに「女性らしさ」を追求していないのだから意図が分からないのかもしれない。
時代として男性がスカートを、と考えていた。
私自身、スカートは女性の物という認識であった。
しかし、今々、スカートは女性だけでなくても良いはずた。
ファッションリーダーになりたいのではない。
時代を切り拓くようなセンスを持ち合わせてはいない。
ただ、好きな格好を好きにしたい中で偶々、スカートがある。
強いて言えば、「好装」だ。
思い付きで言葉を編み出したが、良いかもしれない。
「女装」に「子(男)」の一文字が加え、「好きな装い」という意味で通る。
「好装」、流行らないか?
私のスタンスとしても、時代の流れとしても、良い言葉の気がする。
今度「何を目指しているの?」と聞かれたら意気揚々と「好装」と言ってみよう。
皆、好きな格好を好きにすれば良い。
法に反しなければ、咎められる筋合いはないのだ。
自分自身の気分を上げていく、そうした格好を「好装」と言っておこう。
私らしく私を生きる、そういう現れの一つとして。