気付いたら、23時37分、寝起きで心臓が肋骨を叩くように脈打つ。
急いで、パソコンの前に座る。
脳みその電源を立ち上げる、ブーンという音が聞こえる。
急いで、書き始めるが、落ち着いていないから、何も思い付かない。
落ち着け、時間をよく見ろ、23時40分だ。
まだ、19分ある、もう少し粘れ、脳を揺り動かして言葉を振り落とせ。
しかし、こういう時に限って、脳が酸欠気味で上手く回らない。
扇風機の羽の音が、私に早く書け、と急き立てる。
時刻は23時43分、嗚呼、時間よ止まって、3分で良いから。
いや、高が3分では何も書けやしないか?
カップラーメンを待っている間に書けるか、否、書けない。
ここは、時間よ止まってではなく、時間よ巻き戻っての方が良いか。
何分、巻き戻せば良いだろうか?
巻き戻せるなら、1時間分が良い。
いつもの時間から書き始めれば、いつも通り書ける。
そうだ、時間を巻き戻そう。
今から、こう時間を巻き戻す方法を考えよう。
時刻は、23時46分、馬鹿か現実を見ろ、あと14分やぞ!
嗚呼、どうしようか、どうすればいい?
誰か、誰か、助けて。
しかし、誰かに助けを求めるにも、背を向けたこけしくらいしかいない。
自分で何とかするしかないのだ。
そも、自分がやらかしたことの責任を誰かに負わせるのか、否、負わせられない。
失敗した、ミスをした、その責任を負えるのは、結句、私だけなのだ。
…逃げ出したい…
このまま、青く透明な湖の畔と深く雑多な森の中をじっと座っていたい。
次いでに、仕事からも逃げ出したい。
時刻は、23時51分、残り9分か…
………意外とまだ時間があるな…
文字数をちらっと見る、680文字を越えている。
ただ慌てていることを書いただけだが、書けたようだ。
…これで良いのか、よく分からない。
サッカー日本代表に、ポーランド戦の後半10分間のボール回しの指示した西野監督のような、不本意な気持ちだ。
時刻は23時55分、ここで良しとするか。
大事なのは、継続したこと、次を見据えることだ。
色んな感情を抱き抱えて、このままの私で挑むことが大事だ、多分。
23時57分、一息入れて、投稿する。