ある意味で私の創作の原点的な作品だ。
mixiで書き始めて、きちんと最後まで書き終えられたという点で、最も古い書き物作品だ。
元々短編小説だったのを脚本にし直してある。
妙な気恥ずかしさがあるが、ちゃっちゃか出す。
【在り来たりな物語】
・登場人物
・ウサギ
こけし、白と赤の梅がトレードマーク。
・トゲ
ワニのフィギア、ピンクの羽織りをしている。
・モクタン
アフリカの木彫り人形、全身真っ黒。
・ケルト
ジンジャークッキーのような人形、お腹から綿がはみ出ている。
・地蔵
地蔵菩薩、小さな小屋の中にひっそりと居る。
1、川沿いの田舎道。(夜)
ウサギ、ぼんやりと三日月を眺めている。
ウサギN 今日もどこかに向かっている。行き先は一応決まっているけど、今は寄り道をしたい気分。だから、どこを歩いているかなんて分から ない。ただ、今日は三日月が道を照らしている。
誰とも繋がっていない電信柱が寂しく立っている。
その電信柱の下から雑草と名付けられた草が伸びている。
真っ直ぐに上へと伸びる草を微かに揺らす風は少し冷たい。
ウサギ、視線を下に戻す。
ウサギの視線の先には所々朱色が剥がれた手すりの橋がある。
ウサギ ……あの橋には何があるかな?
ウサギ、微笑む。
メリーゴーランドの音楽が遠くから聞こえてくる。